近況報告
2022年3月15日
『大地の空 浮かんでくるのは ヴェーラ・フィグネルの顔』
毎日とんでもないニュースがウクライナから寄せられます。
イギリスの新聞、ガーディアンやBBCが実際の映像とともに伝えるところ、ロシア国営放送チャンネル・ワンのニュースを女性キャスターが読み上げている背後に、番組関係者(editor)の女性・Marina Ovsyannikovaさんが「戦争反対!政府のプロパガンダを信じるな!」と大書したパネルを掲げて声をあげたとのことです。すでにネット上にその動画が氾濫しているようです。この後彼女はどうなるのでしょう?想像したくありません。
これは日本のメディア、特にNHKは絶対に取り上げないニュースだと想像します。何故ならNHKでも同じように政治の力でボツにされた報道を取材した記者が同じようなことをしたら困るからです。「ニュースウォーッチ9」でいきなり政府系政策投資銀行の政治家口きき融資の実態をNHKの報道記者がプラカードに「どろぼう銀行!即時廃止!」と大書してスタジオに乱入し、「国民の年金が奴らに溶かされている!」と大声を出されたら困るからです。そういう事実が実際に在って、その記者がそれをつかんでいるとしたら、の話ですが。
それにしても歴史に名を残すことになるかも知れないMarina Ovsyannikovaさん。彼女の勇気と行動を、軽々に比較するものではありませんが、19世紀末から20世紀のロシアを変革してきた強い女性がロシアにはたくさんいた、という印象です。
その代表例が1881年に皇帝アレクサンドルII世爆殺事件を首謀した?ヴェーラ・フィグネル、他にもエヴァ・ゴールドマン、ナデジダ・クルプツカヤ、ソフィア・ペロフスカヤ、ヴェーラ・ザスーリチなど女性活動家が多数、名前を遺しています。
巨大なユーラシアの大地の遺恨のエネルギーを一身に背負った彼女たちの情念が、人類史を動かしたのです。