近況報告
2022年4月14日
『春の日に 大地をおおう 殺戮の怨』
ウクライナではロシア軍が敗走したブチャという街を中心とした首都キーウ近郊都市でロシア軍の虐殺、拷問、惨殺、掠奪がロシア軍の軍令で行われたとの解釈が中国以外の世界中を覆っています。まさに1570年のロシア皇帝親衛隊オプリーチニキによる「ノヴゴロドの虐殺」を想起させます。ロシアと国境を接している日本も、何時そんな目にあわされるのか、わかりません。助かりたいのであればプライドを投げ捨て、とにかく占領軍の奴隷として何でもかんでも言うことをきいて国や同胞を裏切るという選択肢もあるでしょう。でも最後にはどうせ銃殺です。3年前のアカデミー外国映画部門受賞の「サウルの息子」にそんな世界が描かれています。しかし今の日本国内の空気はまったくそういった危機感は感じられません。
1945年のソ連軍の突然の攻撃に見舞われたサハリンの街では最後の瞬間までNHKの豊原放送局が放送を続けていました。
「これ以上放送が続けられません。みなさんさようなら。さようなら!」
太平洋戦争の戦後間もない1954年の『ゴジラ』では東京湾に上陸して破壊を尽くすゴジラに放送局も破壊されます。この時、アナウンサーは1945年のサハリンNHK豊原放送局の伝えた最後の言葉をそのまま使った!?と言われています。
北海道がロシアに占領されたらロシアの傀儡政権がすぐに出来上がります。「北日本帝国」の皇帝としてロシア通の「あの人」が「北国の英雄」として即位するのではないでしょうか。
 さて、大統領選挙の決選投票を前に、やや劣勢が伝えられるルペン候補は4月13日「フランスはNATO脱退!ロシアとは外交交渉で平和維持」という方針を公言しました。ルペン候補の意見の是非がどうこうというわけではなく、これはやはり「もうすぐヨーロッパ全体を巻き込む大戦争になって、若者が兵隊にとられるんじゃないか?!」そんな切迫した雰囲気が国中に充満しているのではないでしょうか?2019年のフランス映画『再会の夏』の舞台は第一世界大戦の前後の話です。「もうすぐドイツと戦争が始まり、総動員令がでるんじゃないか!?」村の女性たちは市場で必死になって何らかの情報をつかもうとします。夫や息子が戦場に駆り出される、という女性たちの恐怖が描かれています。今、ひょっとしたらフランスのみならず、ヨーロッパ中の人々が「あ~どうなるんだ~、ばあちゃんが話していた悲惨な戦争がこの21世紀でまたはじまるのか~」と緊迫の中で日常を過ごしているのではないでしょうか?