近況報告
2023年9月1日
 それにしても、原始力発電はおそろしく高くつくものです。
処理水の海洋放出で、これから40年以上、中国や周辺諸国からボロクソたたかれる事態というのを、勘定に入れたら、1kワットあたり発電するにに、100万円ぐらいかかってしまったことになるのではないでしょうか。とんでもない失政として、人類史に刻まれることでしょう。隣国には地球の海全体が汚染されると信じている人もいて、400年ぶりに「遷界例」(全土で、海岸から15km以内の居住が禁止される法律)が発布されるかもしれません。しかし処理水がそんなに危険なら日本列島に住む人々が真っ先に死滅するはずですから、「東洋鬼子」がいなくなるのは隣国にはいいことであるはずです。でも中国で「和牛」を生産している業者さんは風評被害で窮地に陥っていることでしょう。
 さて、「科学的に処理した汚染水」ということなのですが、「科学的」と現実は違います。タルコット・パーソンズという社会学者は「科学とは、実在に対する知的態度の選択的一体系にすぎない」としています。「まあ、理屈からするとそうなんだけど、現実はどうなのかなぁ」というのが科学なのです。そうなると、これから40年間、「福島の海」という実在はどうなるのか、しっかりと観ていかなければならないのですが、その点はまず、信用できません!過去の例から見ても、原発は「隠す、ごまかす、たれながす」の三原則が貫かれている「怪しい事業」です。とくにマスコミの大半は原発利権にしっかりと手なずけられているように私には思えます。
 それに日本の行政のやり方は、いつも「今日のピッチャーは完全試合をやります」で始めようとします。マイナンバーカードを例に出すまでもなく、「ミスは絶対に起こらない!ありえない!」ではじまります。「ミスや事故が起こったらどうするんですか?」と尋ねると「そんな仮定の話には答えられません」で拒絶されます。
「現実」は日本の行政やマスコミにとってはどうでもいいことなのでしょう。
 もうひとつ「現実」が無視されている現実があります。
「Jアラートでお知らせいただくのはいいんですけど、もし日本のどこかにミサイルが着弾したらどうしたらいいんですか?日本中パニックですよ」マスコミはどこもこの質問を行政に投げかけようとしません。でも質問しても政府は「そういったことが起こらないように外交努力を粛々と積み重ねております」。典型的な問題のすり替えです。彼らの間では、「現実」は想定しないことになっているのです。