心臓の手術をやっていてつくづく思うことがあります。
「患者さんは強い!」
普通、病人は弱いもの、いたわるべき、と皆さんお考えでしょうが、目のまで心臓手術を克服されて行く患者さんを観ていると、「人間はこんなにも強いものなのか!」とかえって自分が力をもらいます。
感動を与えられ、元気付けられ、勇気付けられ、自分のこれまでの生き方を深く反省させられるまでのすさまじいぐらいにすばらしい患者さんがいます。今抱えている自分の悩み事など「なんてつまらないことなんだ」とふっとんでしまいます。
「もし自分が同じような病気になっても、こんなふうに前向きにはなれないだろう・・・」
多くの医療に携わる人たちは実は日々、そんな感動と感慨を目の前の患者さんからもらっていると確信します。
「こんな方に手術をさせてもらってなんて自分は幸せなんだ」
そんなふうに思える患者さんは今までにいっぱいいました。
そういう勇ましい患者さんを「勇患」と名付けることにしました。
実はすべての患者さんがそうなのでしょうが、中でも紹介してそのすごさがわかりやすい方、その中の幾人かの人たちに列伝として登場していただきましょう。ここで紹介されるエピソードで患者さんも勇気付けられるでしょうが、一番パワーをもらえるのは医療に携わる人たちだと思います。
平成21年6月24日 南淵明宏
(※)勇患列伝その6、8、10、11、12、13、14、16、17は最後に設問あり